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13話. 兄まで、あなたが?

Author: 6jay
last update publish date: 2026-09-22 22:00:52

紗良の視線が、床へ落ちた別のファイルに止まった。

『S.N / INCIDENT REPORT 2026.08』

桜庭直人のイニシャルと、事故が起きた月が記されている。

紗良はすぐに膝をつき、ファイルを開いた。

一枚目には、事故当日の直人の移動経路が分単位で表示されていた。

車両速度。

携帯電話の基地局接続記録。

黒崎ホールディングスの民間警護チームによる追跡報告書。

兄は、事故に遭う前から怜司の人間に尾行されていた。

紗良は次のページをめくった。

事故の三十分前、直人と最後に話した人物は黒崎怜司。

通話時間、四分十二秒。

さらに二時間前には、黒崎グループが保有する麻布台のペントハウスで、二人が会っていた記録もある。

ファイルの後半には、郊外の国道を撮影した衛星写真、潰れた車両の写真、血痕鑑定の結果が貼られていた。

一部の文章は黒く塗り潰され、『対象移送完了』という文字だけが残っている。

別の封筒には、直人のパスポートのコピーと、国外移動用の仮身分書類。

黒崎グループが管理する地方空港のチャーター便運航記録まで入っていた。

目的地は、セキュリティコードで隠されている。

最後のページに
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